茅野警察署と合同水難救助訓練 協定締結後に於いて初の実施!
この度、無人航空機の活用に関する協定終結後初となる、茅野市警察署との合同水難救助訓練に参加させて頂きました。
弊社からは、西澤(パイロット)伊藤(補助者・インストラクター)、ならびに山田氏(補助者・SSPclubメンバー)の三人で参加致しました。
兼ねてから弊社では、DJI社製 DJI Mavic 2 Enterprise ZOOMを使用した水難救助、山岳救助及び捜索を想定した訓練をしておりました。
今回の訓練では残念ながら「ライフジャケット投下」は実施できませんでしたが、茅野警察署の皆様と共に実際の救助を想定とした水難救助訓練を実施することが出来ました。
訓練内容と訓練を終え、ドローンを活用した救助の利点、また今後の課題点を記載したいと思います。
— 訓練内容 —
【想定1 溺れている方がいる場合】
ドローンの活用方法
①溺れた方(要救助者)の発見
②状況把握(画面目視)と声掛け(意識の有無)
③救助隊(ボート)の誘導(地図またはGPS情報)
④救助隊が到着するまでの声掛け(救助者に安心感を持たせる)
【訓練結果】
①について
・上空から広範囲を探策できるため、周囲約1キロメートル、面積0.08km2の湖では捜索は充分可能であった
②について
Mavic 2 Enterpriseの最大の特徴であるスピーカー、カメラ映像共に明瞭で問題はなかった
③について
地図情報でおおよその位置が把握できるため、陸指揮者の指示をスムーズに行う事ができた
④について
要救助者役の方の感想として「救助隊が向かっていることがわかるので凄く安心感がある」と言って頂けた
【今後の課題点】
②について
要救助者側からの声が聞こえない点。
リアルタイム通話ではないため、マイクの機能を熟知した操縦者以外が通話をした場合、所々途切れてしまったり、早口になり上手く伝わらないケースがあった。
【想定2 手漕ぎボートでの遭難】
ドローンの活用方法
①手漕ぎボートの遭難者の発見
②状況把握(画面目視)と声掛け(意識の有無)
③救助隊(ボート)の誘導(地図またはGPS情報)
④救助隊が到着するまでの声掛け(救助者に安心感を持たせる)
【訓練結果】
①について
今回は手漕ぎボート1艘だったため、即発見できた
②について
Mavic 2 Enterpriseの最大の特徴であるスピーカー、カメラ映像共に明瞭で問題はなかった
③について
地図情報でおおよその位置が把握できるため、陸指揮者の指示をスムーズに行う事ができた
④について
遭難者役の感想として、「声を出して近づいてくるドローンに恐怖感はなく、むしろ救助に来てくれたという安心感しかない」と言って頂けた
【今後の課題点】
今回は1艘のみだったので、即発見が出来たが、複数艇出航している状況の場合はどの程度スピーカーが有効となるか
想定1と同じく、マイク機能の使い方
【今回の合同訓練を終えて】
湖での遭難の場合、ドローンは陸からの捜索と比べ広範囲、上空視点で探せるため、かなり有効なツールと役割を果たすということが、実際の訓練でより実感が湧きました。
特にMavic 2 Enterpriseはスピーカー、ライト、ビーコン、下部ライトがあるため、
夜間、樹木の陰等、様々な場面をシュミレーションすることも出来、実践での使用にも大きな期待が持てます。
我が長野県は年間を通して登山客が大変多く、毎年遭難や滑落といった事故が起きています。
また、山菜やきのこ狩りといった山林内での遭難も多い県です。
今後は是非、山岳救助隊の方々にもご紹介させて頂きたい機体です。
この合同訓練で得た知識と経験を、DJI特約販売店として私達と同じような活動をされている皆様に共有できればと思っております。
使用機体
DJI社製 DJI Mavic 2 Enterprise ZOOM + DJI スマート送信機